DAY1表紙
 滋賀県が主催する、CO2ネットゼロを考える次世代ワークショップ「Create a Sustainable Tomorrow 5-day ユースサマーデイキャンプ」5回連続企画が始まりました。

 前回の記事でご紹介したとおり、企画運営はFridays For Future Shiga(FFFしが)がNPO碧いびわ湖のサポートを受けて行っています。私もサポートスタッフのひとり。

 自然と共生する暮らしを皆さんに体感してもらいたいと、当初は長浜市湖北町の農業組合法人大戸洞舎(おどふらしゃ)を舞台に最初の3日間を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、実地開催ができなくなりました。
 泣く泣くオンラインプログラムに差し替えての開催となりました。

【プログラム】 2021年8月19日(木)
DAY1「サステナブルライフって?」
*開会式、オリエンテーション
*アイスブレイク、自己紹介
*暮らしと社会のつながりを考えるワークショップ
*気候変動基礎知識
*まとめディスカッション

 初日、参加者12名とスタッフ、あわせて20名ほどがZoom会議室に集まりました。

 趣旨説明等の後、アイスブレイクを兼ねてZoomの使用方法に慣れるゲーム、そして自己紹介へと、FFFしがスタッフの軽快な進行に、心地よい雰囲気が出来上がっていきました。


*暮らしと社会のつながりを考えるワークショップ
 休憩後の、こちらの企画進行を私が担当させていただきました。
親指チェック
 テーマは「私と気候変動」ということで、ウォーミングアップに、「どの程度知っていますか」「どのくらい心配していますか」「CO2を意識した暮らしをしていますか」の三つの質問に、親指の角度でみんなに答えてもらいました。

物マップ
 それから、自分の暮らしはどのくらいのモノに囲まれているかを考える「モノマップ」づくり。

行く末来し方マップ
 そして、書いたモノの中から一つを選んで、そのモノが自分の手元にたどり着くまでにどんなルートをたどっているか、また使い終わった後にどんなふうになっていくかを考える「モノの来し方行く末マップ」を個人ワークとして書き出していただきました。

 四つのグループに分かれて、それぞれが書いたものをシェアしてもらい、そのうち一つのアイテムを選んで、さらにグループのみんなで深めてもらいました。

 全体で共有してみると、スマホ、ヨガマット、マスク、観葉植物、イヤホンが採り上げられていました。原材料が何か、どこから来たのか、使うときの環境負荷、捨てるとどう扱われるか、などをグループごとに調べたり考えたりしてくれていました。
 そうやって一つひとつのモノの川上や川下を考えるということは、ほとんどの人にとって新鮮な体験だったようです。原材料の時点で現地にかけている負荷や、輸送や処分でCO2が発生していることに気づくことができました。
 考えてみると工程のかなりの部分でCO2が発生していて、絶望的な気分になった人もいるかもしれないけれど、手に入れるモノを選ぶことでこれは減らすことができるよ、たとえば例に取った野菜では、スーパーで買ってきたらこれだけの環境負荷があるけれど、自分で育てたらほぼゼロにできると説明。
 また、モノマップで書いてみたモノのすべてにこの地図を書くことができる、CO2排出だけじゃなく、生産地の人権侵害や内戦、生物多様性の劣化への影響など様々な問題があるので、モノを手に入れる際には、これはどこから来てどうなるのかをちょっと意識してみるくせをつけるといいねとお伝えしました。


 これで私の出番は終わったので、あとは落ち着いて皆さんのお話を聞かせてもらいました。


*気候変動基礎知識

 基礎的な知識を揃えるために、はじめに国立環境研究所の江守正多さんの動画を観ました。


 続いて、滋賀県CO2ネットゼロ推進課のHさんより、滋賀県の現状についてお話しいただきました。

 子ども時代にテレビで観た仮面ライダーブラックで、悪の組織の陰謀として東京の夏の気温を38℃にするという回があったけど、今はそれが現実になりつつあるという話を枕にお話は始まりました。

部門別排出量
 現行の滋賀県低炭素社会づくり推進計画に定める温室効果ガス2030年26%減の目標からは上回るペースで減らせているけれど、ネットゼロをめざすにはまったく不足、省エネと再エネに取り組まねばなりません。そこから、部門別に見てどこからどれだけCO2が排出されているかをグラフで確認しました。
・県内での新しい取組として、パナソニックでのグリーン水素の生産、米原市の山室木材での廃材からの熱を利用したマンゴー栽培などがある。
・CO2を我慢して減らすのではなく、快適な生活、ビジネスチャンスと考えよう。
・滋賀県の取り組み方針は、省エネと再エネの二本柱にさらに8本の小柱がある(下記の図)。
 2050年CO2ネットゼロを達成した滋賀県の姿を、このワークショップを通じて考えていきたい、ということでした。
CO2ネットゼロ


 それから、FFFしがの5人のメンバーから、話題提供がありました。
 ここの内容はあまりに圧巻だったので、次の記事に続きます!
DAY5報告 はじまりの日